「休職」に関する素朴な疑問に答えてみる①:そもそも、なぜ働けなくなるのか?
今週も一週間終わりました。(お疲れ様でした)
3度目の復帰でも、数ヶ月ぶりの仕事は信じられないくらい疲れます。
この疲れ度合いは第三者から想像しづらい部分だと思いますが、これまで働き続けて来られた人にとって、そもそも「働けなくなる」という状態自体が想像しづらい気がします。
聞きたいけど、聞けない。
今日はそんな「休職」に関する素朴な疑問に、僕の経験から答えてみたいと思います。
(残念ですが僕は専門家ではないので、サンプル数=1の経験者の考えだと思ってください)
このテーマは、5回に分けて書いていきます。
今日は第一回、「疑問①:そもそも、なぜ働けなくなるのか?」です。
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疑問①:そもそも、なぜ働けなくなるのか?(←今回)
疑問②:「病気以外の休職=うつ病」なのか?
疑問③:休職中の人は、毎日何をして過ごしているのか?
疑問④:精神的要因から来る休職の場合、治療方法にはどんなものがあるのか?
疑問⑤:休職明けの人に、休職期間中のことは聞かないほうがいいのか?
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- まず、「働けなくなるに相当する理由がある」ということ
- 1回目の休職:働きすぎで体を壊す
- 2回目の休職:転職先の慣れない仕事に、自責100%の心の癖。心理的ストレスでパンクする。
- 3回目の休職:理不尽な外部環境に、他責100%の心の癖。これまた心理的ストレスでパンクする。
- そして復職した今、思うこと
まず、「働けなくなるに相当する理由がある」ということ
「会社に来れなくなる、ってそもそもどういうこと?」
と、誰もが一度は思うのではないでしょうか。
多少のことならば、皆無理してでも仕事に行きますよね。
「多少のこと」でないから仕事に行けないわけですが、この中身が気になると思います。
僕の場合ですが、1~3回目の休職で、それぞれ働けなくなった理由は異なります。
1回目の休職:働きすぎで体を壊す
1回目の休職の際は、「過度な長時間労働によって体調を崩した」ことが一番大きな原因でした。
7時に出社して1時過ぎに帰る、土日も仕事、という仕事を数ヶ月続けたことが僕には無理だったようで、2ヶ月を過ぎた頃から毎日微熱を出しながら仕事に行っていました。
その状態がしばらく続くと、他の症状が上乗せされてきました。
・食欲不振
・不眠(寝付きが悪くなり、寝ても朝までに何度も目が覚める)
・嘔吐・吐き気
・疲労による?全身の痛み
などです。
ある日、これらの症状が全部重なり、あまりの具合の悪さにベッドから起き上がれなくなった日がありました。
そこから先は、無理をするだけこれらの症状が重くなり、最終的には物理的に会社に行けない(というか、起き上がることすら難しい)状態が訪れました。
無理ができないくらい体が悲鳴を上げました。
2回目の休職:転職先の慣れない仕事に、自責100%の心の癖。心理的ストレスでパンクする。
2回目の休職は、1回目の休職の際所属していた会社をあまりの激務で退職し、転職してから3ヶ月後です。
当時、転職したばかりの僕は「こんな自分を受け入れてくれた会社だから、きちんと仕事で恩返しをしなければ」と気負っていました。
転職先が僕を含めて3人のベンチャー企業だったこともあり、不慣れな仕事に大きな責任を負って、期待に応えようと心理的なストレスを溜めすぎてしまいます。
完璧に期待に応えなくては、と最大限努力をしたものの100点満点が取れない。
そんな現実を前に、自分で自分を許すことができず、「こんな自分では組織に必要とされなくなってしまう」などという不安で死にそうでした。
お察しの通り考え方の癖が出まくってます。。
また、この頃は、「心理的なストレスでパンクすると、体の不調となって跳ね返ってくる」というパターンができてしまっていました。(以前の記事にも書いたとおりです)
そして、結果、1回目の休職の際とまったく同じような体調不良に陥りました。
「会社に行かなければ」と思いながら、無理をしても体が言うことを聞かない状態。
そして、「会社に行かなければ」と思いながら、一方で「会社に行きたくない」とも思っている自己矛盾の状態は、非常につらいものがありました。
振り返ると、外部環境がハードだったというよりは、自分自身の思考の癖によって過度にストレスを溜め、勝手にパンクしてしまった、というのが率直な感想です。
3回目の休職:理不尽な外部環境に、他責100%の心の癖。これまた心理的ストレスでパンクする。
3度目の休職は、少し過去2回と毛色が異なります。
それまでは、仕事上の問題の原因を100%自分にあると考え、自分を責めては完璧な自分になろうと無理をしてパンクするパターンでした。
しかし今回は、そんな僕でも「今回はさすがに会社がおかしい」と思うような理不尽な環境に追い込まれていました。
詳しくは書けませんが、身の回りの友達、家族、前職の先輩、10人に聞いたら10人が「それは会社がおかしい。辞めたほうがいい」と口を揃えるようなブラックな状態でした。
加えて、当時上司から心が折れるような毎日言葉を浴びせられており、ある日、決定的な暴言を吐かれます。
それをうまく受け流せなかった僕はまたしてもパンク。
ストレスは一定の体調不良と、転職活動へのエネルギーになって返ってきました。
当時は、相変わらずの体調不良もさることながら、気持ちの面では「あんな会社は絶対に間違っている。自分は正しい。だから、会社に行く必要はない。」と思っていました。
でも結局、相手(会社)が変わらない以上、この考えを持っている限りは仕事に復帰できないんですよね。。
どちらが正しいとか、間違っているとかは置いておいて、この他責的な考えを手放せなければ自分がストレスを感じ続けることは間違いありません。
そして復職した今、思うこと
結果的には、数ヶ月悩み抜き、転職の判断は先送りにし、もう一度同じ職場に戻ることを決意しました。(詳細は機会があればまた書きます)
そんな今思うのは、3つのこと。
一つ目は、休職の原因を一つに特定するのは難しいということ。
色々な要因が複雑に絡み合っていて、これ!と決めるのは非常に難しい。
もし「なんで休職しちゃったの?」と問われたら、
「うーん、いろいろありすぎてわからない」と答えるのが正解な気がします。
今回は、話をわかりやすくするために究極にシンプル化してみましたが、本当はここには書ききれない様々な要素があったと思います。
二つ目は、どんな場合でも休職の原因が100%自分にあるとか、100%外部環境にあるとかいうことはなく、50:50からそれほど離れていないバランスで、自分と外部環境の両方に原因があるということ。
これは、3度の休職を通じてしみじみと実感します。
どちらかが100%悪ければ、そこを取り除くのは簡単ですよね。
でも現実はそうではないから、みんな苦しむし、僕のように休職を繰り返す人がいるのだと思います。
最後に、僕のような心理的な要因が絡む休職の場合、「考え方や認知の癖が強いと、環境に過度にストレスを感じる」ということ。
そして、「人によってはそのストレスが生活もままならないほどの体調不良を引き起こしてしまう」ということです。
同じ環境下でも、考え方や認知の偏りが少なければ感じるストレスは少なくて済みますし、
仮に休職してしまう人と同じくらいストレスを溜めた人でも、それが体調不良以外の方向に現れる(例えば他者を攻撃する等)ことで、物理的には働き続けられる人もいます。
そこには、人の数だけ多様性があるように思います。
なので、僕の体験を普遍化するつもりはありませんし、あくまで1つのサンプルとして考えてください。
このシリーズの次回は、
疑問②:「病気以外の休職=うつ病」なのか?
です。
おそらく間に別の記事を差し挟むと思いますが、5回シリーズは書き切りたいと思っています。