弱さは強さ
何度か観ているこの映画。
週末に久しぶりに観て、かなり心が救われた。
コールセンターで働く生真面目な性格の幹夫(堺雅人)がうつ病を発症し、妻の晴子(宮崎あおい)がそれに向き合いながら、2人でうつ病を乗り越えていくという物語。
自分の性格にも幹夫と似た要素がある分、随所で幹夫のつらさに痛く共感できた。
こんなにボロボロになるまで頑張ってしまった幹夫と過去の自分が重なって、色々な言葉をかけてあげたくなった。
自分がたまらなく嫌になるときってあるよね。
強い言葉で否定されて心を閉ざしたくなるとき、つらくてもう消えてしまいたくなるときってあるよね。
自分自身も最近、仕事がつらくて仕方がなかった。
自分の性格や繊細さが仕事上マイナスに出る場面が続いて、叱責されたり性格を否定されたり人に迷惑をかけたりしたことがつらかった。
それでもこの映画は「傷ついた経験は、後々自分の糧となり、自分の再発見につながること」「つらい経験も、いつか同じように苦しんでいる誰かの役に立てる引き出しになること」を教えてくれる。
繊細さや傷つきやすさを抱えた人は、たしかに生きづらいかもしれないし、生きるのが苦しいかもしれない。
でも、その痛みを乗り越えたとき、その経験は同じように傷ついている誰かを救う力になるんだな…
弱さは時として強さになるんだ…
そう思えたら、ふっと心が楽になった。
やっぱりこの世で一番つらいことは「自分で自分を受け入れられないこと」なんだと思う。
逆に自分で自分を肯定して、受け入れることができたら、心に栄養が行き渡り、少しだけ前向きになれるような気がする。
不器用ながらも懸命にうつ病と向き合う幹夫、そしてその痛みに共感できなかったとしても幹夫を愛し、全力で支えようとする晴子の姿に本当に胸を打たれた。
観終わった後に、心が温まり、未来に希望を感じられる作品です。