コロナを乗り超える「想像力」と「行動力」
新型コロナウイルスが深刻な状況になってきました。
明日政府から緊急事態宣言が出されるので、7都道府県の自治体からも順次対策を打ち出されることになります。
日々のニュースを見ていても、キャスターやテレビ局の緊迫感から事態が切迫していることが伝わってきます。
今日は趣向を変えて、今の情勢だからこそ求められる意識について書いてみます。あまり政治的なことは書かないつもりですが、これは世界の、人類の一大事なので踏み込んだ発信をしたいと思います。
①「自分の影響力」を想像する力
ニュースを見ていると、「自分は若者だから重症化しないだろう。」「仮に自分が感染しても、一人暮らしだから誰にも迷惑はかけない」などという理由で外出している若者が散見されます。
この、「自分さえよければいい」という発想、そして精神的未熟さが、感染を拡大させている気がしてなりません。無症状の感染者が感染拡大のキーになっている可能性が高いと思うからです。
外出を自粛するのは、「自分が感染しないため」ではなく、「自分が無症状の感染者だと疑い、周囲にうつさないため」ではないでしょうか。
「自分を感染から守る」だけでは不十分です。
事態の収束は、真の意味で自分を感染から守るためにも、「自分の周りの人を、社会を守る」という意識でどこまで行動できるかに懸かっています。
②指導者の強烈なメッセージ
想像力の欠如している、ある意味未熟だと思える人たちの行動を制約するには、ビジョンと危機感で国民を動かせる強烈な指導者のメッセージが必要です。
ドイツのメルケル首相の演説に、こんな言葉がありました。
「開かれた民主主義に必要なことは、私たちが政治的決断を透明にし、説明すること、私たちの行動の根拠をできる限り示して、それを伝達することで、理解を得られるようにすることです。」
「旅行および移動の自由が苦労して勝ち取った権利であるという私のようなものにとっては、このような制限は絶対的に必要な場合のみ正当化されるものです。」
ドイツという国が抱える歴史的背景もあり、きっと多くの国民の心に届いた言葉ではないかと思います。メルケル首相は、ヒトラー時代のドイツの行いをドイツがずっと背負っていかなければいけない宿命として受け止め世界に謝罪の意も発するなど、ビジョンと統率力のある指導者だと感じています。
今の日本政府の指導者にそれがなくても、私たち民間の人間の誰かでも、影響力を持つ人には責任感を持って強いメッセージを発し、周囲の人を動かしてほしいと思います。
③自分にできることを探し、行動に移す
今、事業で大打撃を被ったり失業したりして生活に困窮している人が大勢います。
すべてを国に期待せずに、自分が周囲の人のためにできることはないでしょうか。
お金に余裕がある企業や個人は、そのお金を使って誰かを助けることはできないでしょうか。
所得の再分配は、何も国だけの仕事ではありません。
たくさん稼いだなら、自分が問題意識を持った社会問題について事業を起こしたり寄付をしたりするのも立派な所得再分配です。
お金に余裕がなくても、マスクを1枚、隣人に分け与えられないか。
食材の買い置きをしてあれば、スーパーに行くのが大変な近所の高齢者に食材を分け与えられないでしょうか。
厚生労働省のコロナ対策本部の職員、医療従事者はきっと命を削りながら寝る間も惜しんで働いています。
直接的な支援は難しかったとしても、彼らの仕事を増やさないよう一人ひとりが責任ある行動をとること。
そして、彼らに応援と感謝のメッセージを送ることくらいなら、今すぐにでもできます。
この難局を乗り切るためには、自分という人間一人の生存本能に負けてはだめです。
自分自身が生き延びるためにも、周囲の人のことを考えて行動することが必要です。
一人ひとりが自分だけのことを考えて行動すればするほど、感染は拡大し、医療は崩壊し、死者数の爆発的増加につながるような気がしてなりません。
仮に自分本位の行動を続けたとして、自分一人だけ生き残って人は幸せになれるのでしょうか?
いえ、きっと自分が幸せでいるためには愛する人の存在が欠かせないはずです。
こんなときだからこそ冷静になりましょう。
自分と、愛する人と、社会と、人類を守るために、「自分を取り巻くより大きな視点」から考えて自分の行動を決める必要があります。
これが最近感じている私の問題意識です。
私も自分自身に言い聞かせながら、こんな自分でもできることはないか、探して行動に移していきたいと思います。
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参考URL:コロナウイルス対策についてのメルケル独首相の演説全文
※何人かの方が和訳を載せてくださっていますが、わかりやすかったので引用させていただきました。