自己否定が止まらない人にかける言葉
物事がうまくいかないとき、反射的に自分を責めてしまう人がいます。
「自分を責めなくていいんだよ」と声をかけても、“自分を責めてしまう自分”をまた責めてしまう…というように、自己嫌悪は際限なく進んでしまうことがあります。
目には見えませんが、この“自分を責める”という行為、心理的・肉体的に非常に大きなストレスをもたらします。
こんな人が身近にいたとき、何と声をかけていいかわかりませんよね。
決して正解ではありませんが、私は最近次のような言葉をかけるようにしています。
■存在(being)そのものを肯定する
「私にとっては、あなたが生きていてくれるだけで十分だよ」
「仕事の評価と人間としての価値はまったく無関係」
「生きているだけで100点だよ」
「仕事でいくらうまくいかないことがあっても、人間としての価値は一切変わらないよ」
意識するポイントは2つ。
まず、
doing(行動や、その結果)でも、
having(何を持っているか)でもなく、
“being(存在そのもの)”を肯定するということです。
実際に、私たちは何億分の1という可能性の中で生まれてきています。
その確率を見れば、純粋に生きていること自体が奇跡に近いと言えます。
ある意味選ばれてきたこの“命”には、価値がないはずがないんです。
生きているだけでとても尊い。
あなたは気づいていなくても、あなたが生きているだけで嬉しい人は沢山いる。(皆照れくさくて直接言わないだけ)
あなたが生きているだけで周囲の人を幸せにしている。
それは希望的観測ではなく、事実です。
何もかも自己否定につながってしまう人には、最後の最後で存在そのものを肯定することで、存在そのものへの罪悪感を持たせずに済みます。
もう1つは、正解・不正解の枠組みで相手を裁かないことです。
「自分を責めるのはよくない」
「こうした方がいい。こう考えたほうがい」
「そんなに自分を責めているあなたを見て、私もつらい(=こっちがつらいから、そんなに自分を責めないでくれ)」
などなど、相手のdoingについてこちらの価値観で良い・悪いを裁くと、相手に「やっぱり私はダメなんだ」と思わせかねません。
本当に相手のためを思うのであれば、相手の考え方を変えようとするよりも、今目の前にいる相手のすべてを受け入れることのほうが何倍も力になります。
■罪悪感を手放す
先ほどの言葉を、まずは落ち込んでいる人にかけてみてください。
それを繰り返していると次第に、自分が落ち込んだときでも自分自身に同じ言葉をかけることができるようになります。
仮に心の底から存在を肯定できなかったとしても、声に出して繰り返し言ってみるだけで間違いなく心が楽になります。
生きていく上で一番辛いのは
自分の存在に価値を感じなくなること
それどころか、存在に罪悪感を感じてしまうこと
だと思います。
逆に言えば、罪悪感を手放すだけで生きるのはずっとラクになるはずです。
今回ご紹介した方法は、繰り返し相手に伝え続けることで確実に相手の心は楽になります。自己否定から来る罪悪感は薄れます。
自己否定を手放す方法は他にも色々ありますが、それはまた別記事でまとめます。