ワーキングプアから抜け出せなくなる構図
短期アルバイトを始めて3週間。
無事に職場には馴染むことができ、仕事も簡単で、コールセンターの仕事で出社拒否状態になったのが嘘のように毎日出勤しています。
ただ、7月以降の仕事が決まっておらず、何かを変えなければいけないと感じています。(気づいたら、あと4営業日働いたら無職…)
今日は、この3週間で、私自身が当事者となって初めて感じたことについて書いてみたいと思います。
働くことを通じて目指したい状態
そもそも論から考えてみます。
働くことで目指したいのは、以下の3つの余裕がある状態です。
- 体の余裕
- 心の余裕
- 経済の余裕
この3つの余裕が保てていれば、ある程度安心感を持って働き続けることができるはずです。
私は、この3つの余裕の大切さを、失って初めて実感しました。
恐ろしいのは、2と3が深く関係し合うことです。
経済的な余裕がなくなれば、心の余裕もなくなり、就職活動がうまくいかなかったり焦って自分に合わない仕事を選んでしまったりします。
今日フォーカスしたいのは、1,2,3すべての余裕が一度なくなると、状況を好転させるのが非常に難しくなるという点と、そこから抜け出す方法についてです。
低単価の仕事を選ぶことで起きる悪循環
上記1の「体の余裕」は、当然ながら長時間労働によって失われることが多いです。
一言に「長時間労働」といっても、そこには2種類あるように思います。
ここで問題にしたいのは後者のケースです。
後者のケースで生じる一番の問題は何でしょうか。
それは、時間と金銭的余裕の無さゆえに、専門知識や技術を習得できないことです。
専門知識や技術がないために、仕事を変えようにもまた「誰にでもできる、低単価・低付加価値の仕事」に就かざるを得なくなる、その負のスパイラルで時間を奪われることが本質的な問題です。
これが、ワーキングプアから抜け出せなくなる構図です。
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生計を立てるために長時間働く
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体は疲れ、自由な時間もなく、帰宅しても衣食住を整えるだけで一日が終わる
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そして翌朝、また低賃金の仕事に向かう
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仕事の付加価値が低いので、仕事を通じて専門知識や技術が身につかない
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転職しようにも、同じ低単価・低付加価値の仕事にしか就けない
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気がつくと時間ばかり経ち、年齢を重ねる
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転職自体が難しくなる
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この生活サイクルの中では、将来に向けた自己研鑽を積もうにも、時間とお金が足りません。
そもそも、未来に向けてどんな自己研鑽を積めばいいのかという情報をくれる人とも知り合うきっかけがなく、努力の方向性を誤ってしまう可能性もあります。
将来に向けた自己投資をできないまま時間だけが過ぎていけば、年齢を重ね、転職の難易度は上がり、人材としての市場価値はみるみるうちに下がって、仕事も見つかりづらくなる。
そうして、次第に上記2の「心の余裕」まで奪われていくのだと思います。
実際の体験談
私も実際に体験して初めてわかりましたが、「特に専門知識や専門技術のいらない、誰にでもできる仕事」というのは本当に単価が安いです。
たとえば、私の経験した日雇派遣の一つは、とある石鹸工場で、石鹸の材料となる複数種類の粉をプラスチックの型に順番通りに入れていく、という単純作業でした。
時給は1000円。9時から18時まで8時間働いて、諸々控除されて手取りは1日7,500円。
月に20日働くと、手取りは7,500×20=15万円。
ここから国民健康保険料や国民年金保険料を支払うとなると、手取りは13万円未満。
水道光熱費、家賃などの固定費を考えると、自由になるお金は非常に少なくなります。
「誰にでもできる仕事」というのは、このようにフルタイムで正社員並みの時間働いても、生活に必要最低限の賃金しか稼げません。
「心の余裕」を生むような、趣味やレジャーなどに費やすお金はほとんど残せないのが現実です。
今就業中の短期のアルバイトも、時給は1300円ですがこの構造に大差はありません。
仕事は何の技術も身につかない単純作業で、時間を切り売りしているような感覚に陥ります。
では、どうすればいいか?
この悪循環を抜け出す方法はただ一つ。
「仕事における目標を決め、目標に向かって、できることから自己研鑽を積む」
これに尽きると思います。
時間とお金の余裕がないとはいっても、どちらもゼロではないはずです。
僅かに残った時間とお金を目標に向かって集中投下することで、「誰にでもできる仕事」ではなく、「限られた人にしかできない仕事」に就くための専門知識や技術を身につけることが必要です。
ハローワークなどで消化してもらえる職業訓練も同じ理屈で、「限られた人にしかできない仕事」に就くための知識や技術の習得を目的にしています。
職業訓練然り、お金がなくても負のスパイラルから抜け出す糸口は必ずあります。
一度、「限られた人にしかできない仕事」に就くことができれば、そこから先は好循環が生まれる可能性があります。
なぜなら、「限られた人にしかできない仕事」は仕事自体を通じてさらに深い専門知識や技術が身につき、自分自身の人材としての価値が高まっていくからです。
時間あたりの賃金は上がり、同じ収入を得るにも働く時間が少なくて済み、余った時間を自己研鑽に充てられる、という、先程とは真逆の循環が生まれます。
まずは、目標を立てることから
実は、一番難しいのはその前段階、「仕事における目標を立てること」ではないかと思います。
目標が立てられないから、どこに向かって努力していいかわからない。
空き時間はなんとなくスマホをいじりながら、気づけば一日が終わってしまう。
無意識に日々を過ごすと、そんな時間を積み重ねてしまいがちです。(私も含め)
「こんな仕事をしたい!」といった具体的な目標でなくても、
「正社員に復帰する」とか、「月3万円ずつ貯金できるくらいの給料を貰う」とか、目標は本気でそうなりたいと思えるものであれば何でも良いのではないかと思います。
ちなみに、今の私の目標はこの3つです。
- 将来、本業とは別に個人事業主としても働く(※詳細はいつか別記事で)
- 人としての幅を広げるため、個人事業主の仕事に活かすために、すべての雇用形態(正社員、契約社員、アルバイト・パート、派遣社員)を体験する
- 正社員以外の雇用形態から、正社員に復帰する(今は一度非正規雇用になると、正規雇用に戻るのが非常に難しいシステムになっているので、あえての挑戦)
今経験している苦労のすべては、将来「オイシイ体験だったなー」と思えるような、人に話せるネタになると信じて受け入れようと思っています。
私自身はここに書いているような考えに至るまでに、沢山の人から本当に温かい言葉、激励、アドバイスをもらいました。
この記事を読んでくださっている方々も、きっと沢山辛いことはあると思いますが、私も一緒に頑張っていきたいと思っています。