情報をシャットアウトしてみよう
こちらは最近行った埼玉県秩父市のカフェ、「空&閑」。
このカフェで素敵なお話を聞いたので、今日はその共有をしたい。
カフェ「空&閑」との出会い
日帰り旅行で秩父を訪ねた際、友人との待ち合わせまでに時間があったのでカフェを探していたときのこと。
その日は仕事でひどく疲れていて、心も体もヘロヘロ。
ネットで適当なカフェを探して秩父駅から歩いてみる。
そして、見事に迷って「ここどこだ…」と立ち止まっていたとき、たまたま僕のすぐ横に「空&閑」はあった。
時間が早かったこともあってか、二階に案内されるとお客さんは自分だけ。
店内はとにかく静かで、カフェにしては珍しくBGMが一切かかっていない。
消化器・循環器にやさしいという中国茶をいただきながら、スタッフさんがお湯を沸かす音だけが聞こえてくる静かな空間を楽しむ。
本を読もうと思っていたけど、なぜかそんな気が起こらず、持ってきた本を机に伏せてひたすらボーッと過ごした。
現代人は情報過多のストレスにさらされ続けている
「素敵な空間ですね」とスタッフさんに声をかけてみた。
すると40代くらい?清楚なスタッフのお姉さんがこんな話を聞かせてくれた。
「うちのカフェは、オーナーが"お客さんにとにかくくつろいでもらいたい"という想いで作ったんです。
色々な方にくつろいでいただけるように、置いてある家具はあえてテイストを統一せず、幅広く多様なものを揃えています。そうして、お客さんには自分の好きなデザインの席でくつろいでもらいたいからです。
BGMをかけていないのは、オーナーの"現代人は情報にさらされ過ぎて疲れている。音楽や音も一つの情報だから、耳に入ると処理しようとしてエネルギーを使う。だから、なるべくくつろいで休んでもらうために、BGMは一切かけない空間にしたい。"という考えからです。
ぜひ、家のようにゆっくりくつろいでいってください。」
この言葉を聞いて、オーナーさんやスタッフさんの心遣いという栄養が、疲れ切っていた僕の心に染みていくような気がした。
と同時に、「確かに、自分も含めて現代人は情報にさらされ過ぎているし、自分自身でも自覚できないほどそれによって疲弊しているのかもしれない」という気づきがあった。
僕たちは生活の中でスマートフォンなどを通じてインターネット情報、メールやLINEなどのコミュニケーション情報にひっきりなしに触れている。
電車に乗れば中吊り広告があり、テレビをつければCMや番組から一方的に情報が流されていて、それとは別に日常の人との関わりでも情報に触れ続けている。
僕たちの脳は、情報をキャッチした時点で「自分の身に危険が及ばないかな?」とか、「自分はどう行動するべきか?」とか、無意識に情報処理を始める。
無意識にやっている情報処理でもエネルギーは使うし、疲労は着実に溜まっていく。
情報の種類によっては反射的に何かの感情が発生することもあるだろうけど、その感情を自覚する間もなく、次の情報がまた流れてくるような時代。
そんな中、僕たちはただ気づいていないだけで、きっと自分が思っている以上に疲れているんだと思う。
情報を断つことで、心と体は休まる
現代は無意識に生活しているとかなりの情報を受け取ってしまうので、意識的に「入ってくる情報量」を減らしてみたらどうだろう。
断捨離でいう、「断」をやってみたらどうなるだろう。
「空&閑」に行ってからそんな疑問を持って、意識的にこんな行動をとってみた。
- 家にいるとき、BGMをかけるのをやめる
- 散歩をするときはスマホをオフラインにする
- なんとなくテレビをつけるのをやめる
- なんとなく本を読むのをやめる
- なんとなくネットニュースを見るのをやめる
試してみた結果。
以前より確実に疲れにくい。
余計なことに頭を使わなくなって、頭がスッキリしている気がする。
今までなんとなく受け取っていた情報の大半は、まったく必要がないことに気がついた。
音楽も含め、ついつい情報を受け取り「ながら」何か別のことをやってしまいがちになるけど、意識的に情報を遮断することで意識は目の前の一つのことに集中することができ、それによって心身は過度に疲れなくて済むんだと思う。
どんな風に情報を遮断するかは人それぞれ適した方法があると思うし、それを見つける作業もきっと楽しい。
もしそこに何かのヒントを投げかけられるとすれば、
情報収集をする前に
「なんでこの情報を得ようとしてるんだろう?」
「この情報って、本当に必要?ないと困る?」
と自分に問いかけてみてはどうだろう。
それか、騙されたと思って
・一日音楽を聞かない日
・一日ネットニュースを見ない日
なんかを作ってみてほしい。
まとめ
僕たちの活動エネルギーには一人ひとり限りがあって、その限られたエネルギーを使って僕たちは必要な情報を得、活動して一日一日を生きている。
情報の多い世の中だからこそ、限られたエネルギーを「自分にとって価値の高いもの」に投入して、価値の低いもので自分を疲れさせないようにしたい。
体は心の住処であり、体が疲れると心も疲れる。
幸せは心で感じるもの。
心を疲れさせないためにも、自分を疲れさせるものからは意識的に離れたい。
ここ10年ほどで「携帯を持ち歩くのをやめよう」とか「インターネットから離れよう」なんて話もよく聞くようになったけど、その意味するところを今回こういったカタチで理解することができて、僕にはとても有意義だった。
あらためて、「空&閑」との出会いと、オーナーさん、スタッフさんに感謝!