自由になるための問いと言葉の宝庫 ~『自由への扉』(高橋歩 著)~
2年ほど前にタイトルに惹かれて買った、こちらの本。
読み返してみたら、衝撃的なまでに良い本だったのでご紹介。
僕が大学生のときに、高橋歩さんは一つの流行になっていた。
当時「高橋歩信者」と呼ばれる人がいるくらい、彼の本から放たれるエネルギーとメッセージは若者を惹きつけていた。
自分の心の中に以前から自由を求める気持ちがあったことを感じながら、改めて読み返してみた。
こんな人にオススメ
- 人生に、何か言葉で言い表せないような不自由さを感じている人
- 本当はもっと自由に生きてみたい人
- 自分の心理的囚われを外したい人
- 合理ではなく非合理、理性よりも感性や直観を重視している人
- 自分のやりたいことを模索している人
この本の魅力
この本は、一言で言うと「自由人・高橋歩」が紡ぐ、人生という名の旅を楽しむための言葉&写真集。
何度も繰り返し読んでみたけど、僕はこの本には3つの魅力があると思う。
①感情を突き動かす言葉
1ページ1ページに書かれている言葉は、とても短くてシンプルなんだけど、不思議とニュアンスが伝わってくるし、感覚を揺さぶるものがあるし、「なかなか言葉にできなかった、心の奥に潜んでいた気持ち」を代弁してくれたような気がする。
繰り返し読むほど味わい深くて、久しぶりに読んだときには前よりももっと深く意味が理解できたように感じる、奥行きの深い言葉たち。
この本で伝えたいようなメッセージを伝えるために、他に数多の言葉の候補がある中でこれらの言葉がチョイスしている高橋さんの"センス"には純粋に感動する。
②自由を感じる写真
この本の半分は、高橋さんが世界中で撮り溜めた写真で構成されている。
パラパラと見ていると自然と、「世界は広いなあ」とか、「こんなに楽しそうに笑ったこと、自分にはあったっけ?」とか、色々な思いが湧いてくると思う。
この写真たちを心で感じてみて、自分の中に生まれる感情や感覚というのは、なにか「自分」を取り戻したようなとても尊いものに感じる。
③高橋さんオススメの作品たちに触れられる
高橋さんは生まれながらに自由人だと思われがちだけど、実は両親が教員の家庭に育ったこともあり、後天的に色々な足かせを取っていった人なんじゃないかと思う。
その過程で、高橋さん自身が「自由への扉」を開くのに影響を与えた本や映画などがふんだんに紹介されているのも、この本の魅力の一つ。
紹介されている作品もまた、世界観やスケールが大きいものばかりで、きっと何かしら惹かれる作品があるんじゃないかと思う。
この本を読んで僕が得たもの
僕はこの本を、休日の公園のベンチで、広い青空の下でゆっくり読んだ。
読んでみて、僕の中でこんな化学変化が起きたような気がする。
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- 自分より大きな世界観、価値観に触れることで、自分の世界観が押し拡げられるような感覚になる
- 同時に、今の自分がどんな考えや価値観に縛られ、とらわれているかも感じることができる
- 目の前の悩み事が、何かとても小さなもののように思えてくる
- 「どうなったって、今の仕事を辞めたって生きていく手段はいくらでもある」と不思議と思えるようになる
- 「もっと自分に素直に、楽しく生きていってもいいんじゃないか?」と思える。実際にそうやって生きている高橋さんに勇気をもらえる
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この本からより多くのものを得るには2段階の読み方があるような気がしていて、まずは、頭で考えるのではなく、心で感じながら一回し読むことが大事だと思う。
頭であれこれ考えながら読むのは、その次の段階。
そうしないと、所見で読んだときに「そうはいっても、ここに書いてあることって理想論で、現実難しいよね」みたいに、今ある固定観念で良し悪しを裁いてしまうような気がする。
できる・できない、とか
良い・悪い、とか
そういう、頭で考えた二分論でこの本に書かれているものを処理するのはとてももったいなくて、
やりたいか・やりたくないか、とか
ワクワクするか・しないか、とか
まずは心の反応に耳を澄ませると、きっと違う世界が見えてくる。
その結果ワクワクしたり、やりたいと思ったことには、「どうすれはできるんだろう?」と思考を回し始めればいいんだと思う。
印象的だった言葉たち
以下は、僕の心に深く残った言葉たち。
きっと読み手によって心に残る言葉は違うし、ここに取り上げた以外にも沢山の素敵な言葉があることを添えつつ、いくつか紹介したい。
そして最後に一つ。
あとがきの「高橋歩の『自由のカタチ』」があまりに素晴らしすぎるので、ぜひ読んでみてほしい。
「人は、自分ひとりで、自由になるのではない。
素晴らしい人やものに出逢うことを通じて、自由になっていく。」
「好きな場所にいると、身体が喜ぶ。そして、心が解放される。
好きな場所にいるからこそ、湧き上がる感情や見えてくるものがある。」
「あそこに行きたい、あそこに住みたい、そう感じるのは、
ここにおいで、という地球からのサインだ。
人間社会のごちゃごちゃに飲まれることなく。
素直に、地球からのサインに従って生きたほうが、きっと、気持ちいい。」
「オレは、仲間が出来て、より自由になった。
オレは、結婚して、より自由になった。
オレは、子どもが出来て、より自由になった。
愛する人たちの存在が、オレを自由にした。
人は、愛があるから、自由になれるんだ。」