ココロを自由にするブログ ~自信を育て、しなやかな自分を創る~

不安に振り回されず、自由に生きる。3度の休職を乗り越えた筆者が考える、心の自由を手に入れ、幸せな人生を歩むための、考え方と行動のヒント集。

「成果を出していないと意見すら言えない」という風潮はおかしい

今日は自分の「ベースとなる価値観」を一つ作ってみました。
(※参考→生きるのをグッと楽にする、「ベースとなる信念」の作り方 - ココロを自由にするブログ ~自信を育て、しなやかな自分を創る~

社会人になり組織に属していると、往々にして
「成果を出している人の意見は重視され、そうでない人の意見は無視される」
という場面に直面します。

ここでいう「意見」とは、組織の体制や仕組み等、仕事に関係する進言のこと。
たとえば営業職であれば「ノルマを達成してから会社への不満を言え」という話です。
それ以外の職種でも、「一人前に仕事ができるようになってから生意気を言え」という風潮はどこにでもあるでしょう。

当たり前の論理として受け入れがちですが、私はずっとこの風潮に違和感があります。
というのも、私自身転職するたびに「成果を出していないから意見が聞き入れてもらえない状態」になって沢山悔しい思いをしてきたからです。
組織の批判で終わるつもりなんてないのに、キャリアが浅くて成果が出せないだけで意見を聞いてもらえないなんておかしいじゃないですか。

ということで、今日は改めてこの風潮の是非を考えてみます。


結論:「成果を出していないと意見すら言えない」という風潮は非合理的だ

「成果を出していないと意見すら言えない」風土のある組織では、「何を言ったか」より「誰が言ったか」が重視されます。
営業であれば売れっ子営業マンの意見が説得力を持つのです。

確かに、「成果を出していない人の意見には説得力がないから聞く価値がない、成果を出している人の意見には説得力があるし聞くに値する」というのは一見納得できます。
よくある論調だとも思います。
しかし、逆にそれは感情論ではないか?と最近思うのです。

「意見に説得力がある」というのは「その意見が的を射ている可能性が高い」という意味合いでしょう。
では、「本当に成果を出している人の意見が的を射ている可能性が高いと言えるのか」と考えてみると、そうとも言い切れません。
売れっ子営業マンの価値観、人間性、ものの見方の癖などによっては、発言内容が偏っている可能性は十分にあるわけです。
逆に言えば、成果を出していない人の方が本質的な意見を言うケースもあるはずです。

それを念頭に置くと、「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」を重視し、発言の内容そのものを吟味する方が組織にとってプラスになるのではないかと思います。
組織の意思決定に役立つ材料が集まることが重要だからです。

「発言者が成果を出している・いないにかかわらず、基本的にすべての意見には遍く聞く耳を持つべき」
というのが私の基本的な考え方です。


ただし、発言者の当事者意識と責任感の有無は厳しくチェックする

ただ、上記はあくまで理想論です。

現実的に、限られた時間の中ですべての意見に耳を傾けることは不可能に近いでしょう。
仮にそれが可能だとしても、素早い組織の意思決定のために効率性(無駄な意見は聞かないこと)を追求する必要があります。

そこで重要になるのが、発言者の「スタンス」によって意見を聞き入れる・入れないを判断することです。

組織には「当事者意識が欠如し、批判ばかり並べ立てて自己満足に陥って成果を出すことにコミットしない」タイプのメンバーが一定数存在します。
彼らの存在は組織にとって大きな損失ですし、彼らから組織の意思決定に役立つ本質的意見が出てくる可能性は限りなく低いでしょう。
当事者意識のない人には、根本的な解決策など生み出せないからです。

こうしたメンバーについては「成果を出してから意見を言え」スタンスで臨み、意見を聞き入れる必要はありません。
(厳しいですが、言われる側にも問題があるので致し方ないでしょう)

逆に、今現在は成果を出せていなくとも、一定の条件を満たすメンバーであればその意見には耳を傾けた方が組織のためになります。

その条件とは、
①本人が成果を出す必要性を理解しており、
②行動レベルで成果を出すことにコミットしていて、
③成果を出していない自分が意見を言うことに葛藤している誠実さを備えている
の3つです。

この条件を満たす人は、先の批評家タイプにはない2つの要素を持っています。
それは、「当事者意識」と「責任感」です。
つまり、組織を運営する主体者になったつもりで、主体者と同じ目線で物事を考えているということです。
「自己の満足や利益のためではなく組織の利益のために物事を考える」という姿勢があるだけで、その意見の質は他とは一線を画すものになります。

組織にとって一番大切なことは、「最短の時間で、最高の意思決定材料を集めること」であるはずです。
この目的を達成するために、発言者の当事者意識・責任感の有無によって、意見を聞く・聞かないを決めるのがベストな選択でしょう。


まとめ

結論をまとめます。

・「成果を出していないと意見すら言えない」という風潮は非合理的。
・組織にとって一番大切なことは、「最短の時間で、最高の意思決定材料を集めること」であるはず。
・そのためには、成果を出しているか否かではなく、発言者に当事者意識と責任感があるか否かによって意見を聞き入れるかどうかを判断すべき。

これこそ真に合理的な判断だと思いますが、
とはいっても「成果を出さないと意見すら言えない」という風潮が大勢を占めるのは事実です。

そうした組織に身を置いているのであれば、その風潮に従ってまずは成果を出すことに集中するしか道はないでしょう。
自分の意見を聞き入れてもらうためには、成果を出すための土壌づくりから始めるほかありません。

ただ、もし自分自身が組織の経営に近い立場に身を置くことになったときには、私は発言者のスタンスを一番に重視したいと思います。
その方が、組織全体にとってプラスになる判断ができる可能性が高いだけでなく、
将来成果を出せる可能性が高い社員の意欲を削ぐこともないからです。

長くなりましたが、今回改めて考えを深めてみて、自分なりの考えが導き出せた気がしています。
「ベースとなる価値観」をまた一つ作れたことの充実感と、こうして考え抜くことの重要性を改めて感じました。

「発言者のスタンス」の中でも何を見るか、そしてそれをどう見極めるかは様々な考え方があると思います。
新しい考え方やご意見があれば、コメントいただけるとうれしいです。

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