ココロを自由にするブログ ~自信を育て、しなやかな自分を創る~

不安に振り回されず、自由に生きる。3度の休職を乗り越えた筆者が考える、心の自由を手に入れ、幸せな人生を歩むための、考え方と行動のヒント集。

生きるのをグッと楽にする、「ベースとなる信念」の作り方

<この記事の要点>

①「ベースとなる信念」を作れば、どんなに困難場面でもブレない判断ができる
②他人の「ベースとなる信念」を見抜けば、付き合うべき人がわかり、人生の幸福度が上がる
③「ベースとなる信念」を作るためには、判断に迷う場面で「何を一番大切にしたいのか?」を自分に問うこと
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「どうすればいいんだろう…」
考えても答えが出ない、本当に判断に迷うときが誰にでもあると思います。

私自身、人材系の会社で営業職をしていたとき、得意先に自分が心からお勧めできない商品を売ることにも罪悪感を持ちつつも、売上ノルマを拒否して営業しないわけにもいかずに非常に悩んだ経験があります。

不満をグッと飲み込んで、会社に課されたノルマを達成しようと努力するべきか。
「納得がいかない商品は売らない」と会社に反旗を翻すか。
その2択を頭に思い浮かべた当時の私は、結局答えが出せませんでした。
結果は、表面上は商品を取引先に営業して回るものの形式的に紹介するだけで売上は上がらない、という中途半端なものに終わりました。


■自分なりの「判断基準」を作ることを目指す

今思い返せば、当時の私にはその場の身の振り方を決める「判断基準」がなかったのだと思います。
なぜでしょうか。そしてどうすれば「判断基準」が作れるのでしょうか。

そもそも「判断基準」は自分の考え方や価値観によって作られます。
逆に言えば、どんな考え方や価値観を持っているかによって、物事の判断基準は変わってきます。

たとえば、上司からの飲みの誘いを断った新人Aくんがいたとします。
50歳のベテラン社員Bさんはその行動をNG行動だと断じましたが、入社3年目の先輩Cくんは全く問題のない行動だと考えました。
このとき、Bさんは「上司からの飲みの誘いには乗るべきだ。誘いに乗ることは礼儀だし、仕事の範疇だ。」という考え方・価値観を持っています。
対するCくんは、「仕事が終わった後はプライベートの時間だ。行きたくないのであれば、飲みの誘いに乗る義務はない。」という考え方・価値観を持っているわけです。

ここで言いたいのは、Bさん・Cくんどちらの考えが正しいということではありません。
どちらの考え方も一種の正解。
ここでのポイントは、BさんやCくんは自分なりの考え方・価値観を持っていたからこそ、瞬時に物事を判断することができたということです。


■ポイントは「ベースとなる信念」を作り上げること

この「自分なりの考え方・価値観」には、様々な種類があります。
「必要なモノだけが最低限あればよい」というモノに関する考え方、
「趣味の車にお金を費やすが、他にはまったくお金をかけない」といったお金の使い方に関する考え方、
「他人に迷惑をかけてはいけない」「他人への思いやりを忘れてはいけない」といった親から教えられる類の考え方、
「人生で最も大切なのは家族との時間だ」といった、人生で一番重きを置くものについての考え方、
など、数え上げればキリがありません。

私はこうした「考え方や価値観」のうち、特に個人個人の根幹をなす基本的考え方を「ベースとなる信念」と呼んでいます。
「ベースとなる信念」には、以下のような特徴があります。

・抽象度が高いが、極めて本質的
・困難な場面でこそ立ち返ると、有用な「判断基準」となる
・親から教えられるような、人間としての基本的な教えではない
・多くの人が後天的に、経験の中で作り上げていくもの

「ベースとなる信念」があると、どんな困難な問題に対しても、その信念に立ち返って一本筋の通った判断ができます。

具体例を挙げましょう。
冒頭で挙げた例を思い出してください。
先の例では、「会社から給料をもらっている以上、自分は営業ノルマを達成する責任がある。納得のいかない商品でも売らなければいけない。」という考えと、「お客様には自分が自信を持ってお薦めできる商品を売りたい。その商品の販売を通して、真の意味でお客様自身の役に立ちたい。」という考えが私の中で拮抗していました。

こんなときに、「自分は自信を持ってお客様の利益になると言い切れる商品しか紹介しない。自分が納得できる商品をお客様に届けるためなら、どんな努力も惜しまない」(※)という信念を持っていたとしましょう。
すると、具体的な行動としてたとえば
・新商品の品質や性能への不満をまず商品開発部に伝える。(とはいえ一営業マンの意見では商品の再開発までには至らないだろうから、あくまで布石として伝えておく)
・そのうえでお客様に新商品を紹介し、満足できる部分と満足できない部分のヒアリングを密に行う。
・お客様の利益になることが一番大切なので、もちろんこの段階で商品に満足しているお客様には堂々と買ってもらう。
・一連のヒアリング終了後、ヒアリング結果とそこから自分が感じた「お客様が真に求めている価値」の意見を付加して、商品開発部に商品の改善提案を行い、お客様に更なる利益をもたらせるよう商品の改良に取り組む。
などが挙がってきます。
この4点の行動は、すべて前述の(※)に立ち返って導き出した行動です。

“「ベースとなる信念」があると、どんな困難な問題に対しても、その信念に立ち返って一本筋の通った判断ができる”ということが少しイメージできたでしょうか?

ただ、お察しのとおり「ベースとなる信念」は一つ持つだけでは不十分です。
仕事や人間関係、人生全体…それぞれの分野で複数の信念を作る必要があります。
特に仕事においては、部下を持っており自身の仕事の影響範囲が大きな人は、周囲を納得させられるくらいの、量と質を兼ね備えた「ベースとなる信念」を数作る必要があります。

■他人の「ベースとなる信念」を見抜くことで、付き合うべき人を見抜く

人と付き合うとき、注意深く相手を観察すると「ベースとなる信念」が見えることがあります。
なぜなら、「ベースとなる信念」は言葉ではなく細かい行動に現れるからです。

たとえば、「身近な人ほど一番大切にすべきだ」と言っている人が、週末に家族を家に残し趣味のゴルフに興じる。
「部下の仕事を信頼している」といっている人が、部下の仕事に細かすぎるチェックを入れる。
こうした言行不一致を見かけたときは、行動こそがその人の「ベースとなる信念」を物語っているものです。

逆に言えば、他人の細かい行動を注意深く観察することで、「その人が大事にしているもの・価値観は何か」はわかります。
そうして人の本質を見抜くことができれば、自分が付き合いたいと思う人もおのずと絞られきます。

付き合うなら、友人も、仕事の仲間も、もちろん人生の伴侶も、「ベースとなる価値観」が自分と似ている人を選ぶ方が共感し合えることが多く、自分の人生の幸福度は上がるでしょう。


■「ベースとなる価値観」の作り方

「じゃあどうやって“ベースとなる信念”を作ればいいのよ?」と思いますよね。
その方法は簡単です。
判断に迷う場面に出くわしたら、少し頭を使って「何を一番大切にしたいのか?」を自分に問うだけです。

判断に迷うときというのは、「何を一番大切にしたいのか?」が見えていないときなんですね。
だからこそ、自分の「ベースとなる信念」を作る絶好のチャンスだと前向きに捉えましょう。

私はこの「ベースとなる信念」を作ることこそ、人生の中で最も面白く充実感のある営みだと思っています。
一方で、いくら信念を作り上げても、これまで作り上げてきたものでは対応できない問題が永遠に起こるのが人生だと思います。

そうして判断に悩み葛藤する度に、自問自答しながら新たな「ベースとなる価値観」を作っていくこと。
それこそが、一つ前のエントリー

元K-1世界王者、魔裟斗選手から学ぶ「仕事に向き合うメンタリティ」 - ココロを自由にするブログ ~自信を育て、しなやかな自分を創る~

でも書いたように「魂を磨く」ことの一部なのではないかと考えています。

今日書いたことは、あくまで私自身が「気づいたこと」であって、完璧に「できること」ではありません。
現実の中で判断に迷うことは数えきれませんし、人の意見に流されることも多々あります。
私自身も発展途上の一人の人として、これから「ベースとなる信念」を一つずつ作り上げ、自分を磨いていきたいと思っています。

 

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